米国株を中心に運用する方が増えています。私自身も米国株を中心に運用していますが、多くの方が一度は悩むテーマがあります。それが「夜中に相場が動くことによる睡眠問題」です。米国株は、日本時間の夜中に市場が開きます。そのため、どうしても株価の動きが気になり、寝る前にチェック、夜中に目が覚めてチェック、朝方にもう一度チェックといった生活リズムになりがちです。浅い眠りが続き、結果として日中の仕事や生活に支障が出てしまいます。特に、相場が大きく下落している局面では、評価が下がる、不安で眠れない、生活に支障が出る、さらにストレスが増す、という負のサイクルに陥りやすくなります。

サマータイム切り替えの厄介さ

米国株投資家にとって、もうひとつ厄介なのがサマータイムの切り替えです。サマータイム中は、市場の開始時間が1時間早くなるため、まだ楽です。問題はサマータイムが終了した後で、市場開始が1時間遅くなり、相場が本格的に動き出す時間帯が完全に深夜にズレ込みます。この1時間の差が想像以上に大きく、眠りに入った直後に気になる、一度起きるとなかなか寝付けない、翌日のパフォーマンスが明らかに落ちる、といった影響が出ます。私自身も、一年で一番しんどいのはサマータイム終了後の数週間だと感じています。

市場が開く前に注文を済ませておく

こうした経験を重ねる中で、私はひとつのルールを決めました。米国市場が開いている時間帯に、売買判断をしないということです。値動きをリアルタイムで見ながら判断すると、どうしても焦り、恐怖、期待といった感情が入り込み、結果的に後悔の残る売買になりやすくなります。さらに「見ている=判断しなければならない」という無意識のプレッシャーが生まれ、眠れない状態を自分で強化してしまいます。そのため、私の場合、売買が必要なときは市場が開く前にすべて注文を入れておくという形にしています。こうすることで、夜中に相場を見なくてもいい状態を作ります。それでも気になって見てしまうことはありますが、「判断はすでに終わっている」という状態を作るだけで、心理的な負担は大きく軽減されました。

運用は、短距離走ではなく、終わりのないマラソンのようなものです。一時の成果よりも、長く続けられる状態を作ることの方が、はるかに大切だと感じています。睡眠不足や慢性的なストレスは、判断力を確実に鈍らせます。健康あっての投資・運用。この言葉は、決して大げさではありません。

米国株運用における判断ルールの整え方については、当社のサービスのご案内をご覧ください。投資顧問契約が初めての方ははじめての方へをご確認ください。

代表取締役 下田祐樹
下田 祐樹(株式会社TODOKERU 代表取締役)
野村證券にて17年間、個人・法人の資産管理業務に従事した後、投資助言・代理業として独立。関東財務局長(金商)第3348号。著書『運用者の規律』ほか。プロフィール詳細