就職活動をする際、自己分析を行った経験がある方は多いと思います。自分の強みは何か、弱みは何か、これまで最も苦労したことは何か。自分の人生を振り返りながら、言語化した記憶があるのではないでしょうか。実は、運用においてもこの「自己分析」は非常に有効です。なぜなら、自分の性格を理解していなければ、自分をコントロールできないからです。
就職活動の自己分析との違い
就職活動における自己分析は、基本的に「自己アピール」が目的です。一方で、運用における自己分析の目的はまったく異なります。目的は、自分を理解することです。誰かに良く見せるためではなく、自分自身の行動パターンを把握するための作業です。
強みが弱みに変わる瞬間
例えば私自身の話ですが、私の強みのひとつに「好奇心旺盛」という性格があります。一見するととてもポジティブな要素に見えますが、運用の世界ではこの性格は別の意味を持ちます。周囲の情報(ノイズ)に反応しやすい、必要以上に多くの銘柄を追いかけてしまう、判断の軸が散りやすい。好奇心旺盛=情報に振り回されやすい、という側面があるのです。
私の弱みのひとつに、「考えすぎる」という性格があります。これを運用に置き換えると、含み損を抱えた際に不安が膨らみやすい、想定以上にシナリオを考えすぎてしまう、結果として判断が遅れたりブレたりする、こうした傾向につながります。
相場よりも自分に負けている
このように、自己分析を「運用における性格」として置き換えてみると、自分の傾向が少しずつ浮かび上がってきます。そして多くの場合、運用における大きな失敗は、この傾向が原因で起きています。相場そのものよりも、自分の性格に負けているケースは非常に多いです。
自己分析が判断の土台になる
これらの傾向を理解し、あらかじめ「自分はこうなりやすい」と把握しておくこと。これは運用におけるメンタル管理に大きく役立ちます。運用成果は分析手法やテクニックがすべてだと考えられがちですが、どれだけ良い銘柄を良いタイミングで買えたとしても、周囲の情報に振り回され、感情が先に動き、判断を急いでしまう。このような理由で成果につながらないケースは、この世界では決して珍しくありません。
自分を理解し、後悔のない判断を継続すること。これは簡単なことではありません。むしろ最も難しい部分かもしれません。ただ私は、運用手法を磨く前に、まずここが大事だと考えています。自己分析は、運用を安定させるための最初の土台になります。
