運用の成果を上げようと考えたとき、多くの人がまず最初に通る道があります。それが「投資手法探し」です。投資手法を学べば、それが成果への最短ルートになる。そう考え、数多くの参考書や教材を読み、様々な手法を試してきました。ところが、参考書通りに売買しているにも関わらず、思うような成果が出ない。手法を次々に変えながら、迷走した経験のある方も、少なくないのではないでしょうか。

手法は「型」に過ぎない

投資手法は、真似をするだけでは、ほとんどのケースで機能しません。なぜなら、投資手法とは「型」に過ぎず、それをどう使うかは、使う人の性格・思考・経験によって、大きく結果が変わるからです。同じ手法を使っても、冷静にルールを守れる人、含み損に耐えられず途中で手仕舞う人、利益が出るとすぐに確定したくなる人。この違いだけで、パフォーマンスは大きく乖離します。つまり、投資で重要なのは「手法そのもの」ではなく、自分にとっての優位性を作れるかどうかなのです。

優位性とは何か

優位性とは、あなたにとって「少しでも勝ちやすい状態」を意図的に作ることです。言い換えれば、あなたに合った形に、投資手法を作り変えることとも言えます。ここで重要になるのが、「あなただけの+アルファ」という要素です。この+アルファは、あなたが「良さそうだ」と思った投資手法に、自分なりの考え方、見方、判断基準を意識的に組み込んでみることで見つかります。例えば、エントリーのタイミングを自分が一番安心できる形に調整する、利確や損切りのルールを自分のメンタル耐性に合わせて設計する、判断材料に自分が得意とする分析軸を加える。こうした小さな工夫の積み重ねが、やがて「あなただけの優位性」へと変わっていきます。

失敗は無駄にならない

自分に合う投資手法を見つける過程では、必ず失敗を繰り返します。ただ、その失敗は決して無駄にはなりません。試行錯誤の中で得た知識と経験は、後になって必ず「+アルファの強み」として返ってくるからです。むしろ、遠回りに見えるこの過程こそが、投資において最も価値のある時間だと感じています。

新しい手法を探す前に

今の投資手法がうまく機能していない、何を基準に手法を選べばいいかわからない、何度も手法を変えて疲れてしまった。そんな状態にあるなら、「新しい手法探し」をする前に、今使っている手法に、自分なりの+アルファを加えることを試してみてください。投資とは、正解を探す作業ではありません。自分に合った「勝ち方」を作る作業です。そこに気づけたとき、投資は再現性のある技術へと変わっていきます。

自分に合った運用の型を一緒に整理したい方は、当社のサービスのご案内をご覧ください。投資顧問契約が初めての方ははじめての方へをご確認ください。

代表取締役 下田祐樹
下田 祐樹(株式会社TODOKERU 代表取締役)
野村證券にて17年間、個人・法人の資産管理業務に従事した後、投資助言・代理業として独立。関東財務局長(金商)第3348号。著書『運用者の規律』ほか。プロフィール詳細