見ている銘柄が、ある日突然急騰する。そんなとき、どうしても心がざわつきます。「買い逃した」「なぜ、あの時買わなかったんだろう」「持っていれば、もっと利益になったのに」多くの人が、同じ感情に襲われます。ここで大事なことは、急騰・急落の局面では、あなたの隣の投資家も、そのまた隣の投資家も、同じ心理状態にあるということです。あなただけではありません。このような局面では、集団心理が一致するのです。ですが、急騰したからといって、一切気にする必要はありません。

自分の「円」の中で判断する

私は、相場を見るときに「円(=自分のルール・基準)」を大切にしています。どの水準で、どんな条件がそろったら、どのくらいのリスクを取るのか。この円の定義は、相場が急騰しても変わりません。もし、自分の円の中に入らないまま上昇したのであれば、それは単に「縁がなかった」だけです。無理に追いかける必要はありません。

後悔と規律は別のもの

急騰時に後悔の感情が出るのは、自然なことです。それ自体を否定する必要はありません。むしろ、相場をきちんと見ている証拠でもあります。ただし、その感情を理由にルールを曲げたり、本来やらない取引をしたりする。これは、一番やってはいけない行動です。ルールを満たさなかったから見送った、感情ではなく基準で判断した。これは「失敗」ではありません。規律を守れた、前向きな結果です。

チャンスは何度もやってくる

相場は今日だけで終わりません。チャンスは、必ず何度もやってきます。その取引ひとつで、あなたの資産評価が大きく変わることはありません。資産を決めるのは、一発の当たりではなく、ひとつひとつの積み重ねです。焦らず、淡々と。自分の円の中で、やるべき取引を続けていくことが大事だと考えています。

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代表取締役 下田祐樹
下田 祐樹(株式会社TODOKERU 代表取締役)
野村證券にて17年間、個人・法人の資産管理業務に従事した後、投資助言・代理業として独立。関東財務局長(金商)第3348号。著書『運用者の規律』ほか。プロフィール詳細