とある週明けの月曜日のことです。ネガティブな材料が出たことで、保有していた米国株が大きく下落しそうな状況になりました。その銘柄は、以前から損切りするかどうか迷っていたものです。そして実際に株価は大きく下落しました。本来であれば、冷静に損切りを判断すべき場面でした。ところが私は、その株を売却せず、あえて保有し続けるという選択をします。理由は「この恐怖を心に刻み込もう」と考えたからです。二度と同じ失敗を繰り返さないために、下落していく株価をリアルタイムで見続けました。今振り返ると、これは完全にマイナスの感情を強化する行動でした。

判断そのものを疑うようになった

この出来事をきっかけに、私は自分の判断そのものに疑いを持つようになります。取引をするたびに、損失の恐怖が頭をよぎり、落ち着いて判断できなくなっていきました。次第に寝不足になり、精神的にも追い込まれ、軽い鬱状態のような感覚に陥った時期もあります。

この経験から行き着いた考え方

この経験から、私はひとつの考え方に行き着きました。運用結果に対して、自分の判断を批判してはいけないということです。一貫した判断を続けるためには、手法や知識以上に、自分の気持ちの持ち方が非常に重要だと痛感しました。

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代表取締役 下田祐樹
下田 祐樹(株式会社TODOKERU 代表取締役)
野村證券にて17年間、個人・法人の資産管理業務に従事した後、投資助言・代理業として独立。関東財務局長(金商)第3348号。著書『運用者の規律』ほか。プロフィール詳細