運用を行う目的は、資産を増やすこと。つまり「儲けること」です。この「儲ける」という言葉に強く執着すればするほど、儲けは逃げていくように感じています。そのため、この言葉とは一定の距離を保つ必要があると私は考えています。
「儲けるためにはどうしたらいいですか」という質問を受けたとき、私は決まってこう答えます。「あなたの投資における優位性が、儲けを決めます」。これは「投資にエッジを持つ」と言い換えることもできます。
優位性とはどういうことか
スポーツに例えるとわかりやすいかもしれません。野球で打席に立つとき、バットを長く持つか短く持つか。一般的なマニュアルはありますが、実際には自分にとって一番しっくりくる長さが経験の中で見つかってきます。マニュアル通りかどうかよりも、自分にとって有利かどうか。これが、その人にとっての優位性です。サッカーのシュート選択も同様で、経験から「決まる確率が高い」と感じる選択をするのは、それが自分にとって優位性のある選択だからです。
「得意」と「優位性」の違い
「得意」には「好き」「やりやすい」といった感覚的なニュアンスが含まれます。一方で優位性とは、一般的な確率よりも数%、数十%、自分にとって有利である状態を指します。感情ではなく、結果に表れる差。これが優位性です。運用も同じで、自分にとって優位性のある行動を淡々と繰り返せるかどうか。この数%、数十%の差の積み重ねが、最終的な成果になります。
優位性は失敗の中で見つかる
投資の参考書に書いてある通りに運用してもうまくいかないケースが多いように、優位性は真似事では身につきません。私自身、数多くの失敗を重ねる中で、少しずつ自分にとっての優位性を見つけ、磨いてきました。もし今、運用がうまくいっていないと感じているなら、「勝てる方法」を探す前に、どんな場面で判断がブレるのか、どんな相場で無理をしがちなのかを振り返ってみることをお勧めします。優位性は、正解の中ではなく、自分の失敗の中に隠れていることがほとんどです。
