投資顧問と聞くと、「プロのようだけれど、正直信用できない」「なんとなく怪しい」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。実際、投資顧問や投資助言といったキーワードで検索すると、「騙された」「損をした」といった体験談を目にすることがあります。投資顧問=信用できない存在、という印象が先行しているのも無理はないと思います。

私は「投資の仕組み作りを仕事にしたい」という理由で投資顧問になりました。その立場から見ると、ここまでネガティブな印象が広がっていることには正直、驚きました。そこで本コラムでは、投資顧問(正確には投資助言会社)を利用する際に最低限見ておいていただきたいポイントを、投資顧問の立場から整理します。

まず知っておくべき前提 ─ 登録業者は監督下にある

見分け方を考える前に知っておいていただきたいのが、「ルール」の存在です。投資助言会社は財務局の管轄のもとで運営されています。また、多くの投資助言会社は業界団体にも加入し、定期的に経営体制や業務内容のチェックを受けています(一部、非加入の会社もあります)。つまり、登録業者であれば基本的には監督下で事業を行っているのが実情です。

特に厳しく見られているのが「広告」

近年、とくに厳しくチェックされるのが広告表現です。具体的には、過度にパフォーマンスをアピールし、それを材料に顧問契約を勧誘する行為です。

ここで「あれ?」と思った方も多いはずです。実際に検索すると、パフォーマンスを前面に出した投資助言会社の広告はいくらでも出てきます。そしてそれが、投資顧問全体のイメージを大きく悪化させている要因でもあります。

少なくとも、登録業者として真っ当に運営している会社では、パフォーマンスを煽るような広告は非常に慎重に扱われます。行き過ぎた表現をすれば是正を求められ、従わなければ最悪の場合、行政処分の対象になります。厳しい管理体制の中で経営をしている一方、世間では「怪しい業界」というイメージが強い。この現実とイメージのギャップが、今の投資顧問業界には存在しています。

避けるべき業者の特徴

ここからは、私自身が投資顧問として「これは見ておいた方がいい」と感じる点です。

① パフォーマンスを過度に強調した訴求になっていないか。短期間での高リターンを前面に出す、「今すぐ参加しないと損」といった煽り。これはパフォーマンスが悪いという前提ではありません。投資顧問業には広告に関する明確な規制があり、実績や将来の成果を強調した表現は誤認を招きやすい領域に入るためです。登録業者ほど、この点については慎重な姿勢を取るのが一般的です。

② 仕組みや考え方の説明がない。なぜその判断に至るのか。どこまでをサポートするのか。想定されるリスクの説明があるか。ここが曖昧なまま契約を進める会社は、結果が悪くなったときの責任も曖昧になりがちです。

③ 「簡単」「確実」という言葉が多い。相場の世界に、簡単で確実な方法はありません。それを一番よく知っているのは、本来プロの側です。

④ 契約締結前交付書面を読む。登録業者のホームページには契約締結前交付書面が必ず掲載されています。どのようなサービスなのか、どんなリスクが想定されているのか。少なくとも、自分に合うサービスかどうかを判断する材料になります。当社の書面もこちらで公開しています。

最後に

投資顧問は、相場を当て続ける存在でも、魔法のように資産を増やす存在でもありません。本来の役割は、投資家が大きな失敗を避け、相場に居続けられるよう守ることだと私は考えています。業界のイメージを少しずつでも現実に近づけていくこと。それも投資顧問の大切な役割の一つだと思っています。

そもそも投資顧問とは何をする仕事なのか。投資顧問とは何か ─ 証券会社との違いと本当の役割で詳しく解説しています。

代表取締役 下田祐樹
下田 祐樹(株式会社TODOKERU 代表取締役)
野村證券にて17年間、個人・法人の資産管理業務に従事した後、投資助言・代理業として独立。関東財務局長(金商)第3348号。著書『運用者の規律』ほか。プロフィール詳細